始まりました、ドイツW杯アジア最終予選。

日本はバーレーン、イラン、北朝鮮と戦わねばなりません。
全部で6試合。ホーム&アウェイ方式で戦うわけですが、
2月9日についに第1戦が始まり、運命の刻が来た、
という感じです。

さて、結果から申しますと、勝ちました。
どうにか、勝ちました。

2−1で日本。そのうえ、バーレーンVSイランが引き分けたので、
結果的に日本はグループ首位。
さらには、追い込まれてのロスタイムで決勝点という結果から、
マスコミ的には感動的な、劇的な勝利、と取り上げられています。

確かに、良い試合でした。
劇的な幕切れでした。
ドラマッチックであり、サッカーの醍醐味でもありました。

ただ、どうしても納得がいかない点があるため、
終わったと同時に日記に書き込むのは止めました。
考える必要性を感じたからです。
見た直後の興奮のまま書くのは、なんかはばかられたのですよ。
これで良いのか?という思いが頭から離れなかったので。

何が一番納得できなかったのか?

それは、ジーコの選手交代のまずさが浮き彫りになった点であると思います。

試合後の報道番組を見ていて、この点に言及したのはTBSニュース23の
サッカー23の解説・中西哲生氏だけだったのではないでしょうか?
ジーコの選手交代が遅すぎた、と彼は言っていました。
つまりは、判断力のなさが今後の試合にも影響を与えてくると言及していました。

僕は国内組は悪かったとは思いません。全得点に絡んだ小笠原は良かったし、
右サイドを上がる加地、DFにも戻る三都主はよくやったと思います。

このゲームで痛かったのが、DFの混乱。
あるシーン(前半と思う)で、ボールを持った北朝鮮の選手に対し、
宮本と中澤で飛び込んでいき、ヘディングで競り合うシーンがありました。
解説やってたファン代表の松木さんも言ってたんですが、
あのこぼれ球へのフォローがいない、
北朝鮮の選手が真ん中に走り込んでたらミドルシュートで撃沈、
というシーンです。
実は、あそこに後半の北の1点の伏線があったように思います。
DFラインは、完全に混乱していました。

さらには、玉田に問題があったとも思います。
前半こそ裏を取る姿勢が見えましたが、後半、玉田は消えました。
ポストプレーに徹する鈴木隆行と比べても、玉田は調子を落としていた。
にもかかわらず、ジーコの選手交代の一人目は玉田ではなかった。

隆行は体を張れる選手です。
トルシエが彼を重んじたのは、そこです。
日本の武器は、セットプレイ。それはトルシエ時代も現ジーコ日本も
皮肉にも変わってはいません。
と、なると、ベンチには聖人・中村俊輔が控えています。
ペナルティ・エリア付近で体を張り、
ついにはファウルをもらうことが出来る天性の削られ役、隆行がいれば、
俊輔が出てきたとき、フリーキックという武器がさらに生きると思ったのですが、
ジーコの選択は調子を落としている玉田ではなく、隆行でした。
この選択の裏には、おそらくカザフスタン戦の玉田の2ゴールがあったでしょう。
しかし、後のシリア戦、玉田はノーゴール。
シリアDFを切り裂くことはできなかったわけです。
そこをどう見るのかがこのゲームの分岐点だったように今でも思います。

あと、当日のすぽるとで風間八宏さんがベタ誉めだった高原。
どうでしょう?
決定的なあのシーンをダイレクトとはいえ、ふかしたのはいただけません。
ここぞという時に決めてくれるのが彼のはずですが、
代表戦ノーゴールはもうどれくらい続いているのでしょう?
僕の中では、信頼性はあまりないストライカーです。
海外行ってやってたら良いのか、と風間氏には言いたくなりました。

昨日の試合、MVPは小笠原です。
小笠原の3分のFK。見事。
後半は俊輔が加わるとボランチの位置に下がり、
それにより遠藤が守備面をフォロー。
それでも4バックへのフォーメーション変更と、
俊輔が加わったために左サイドに寄ってしまった攻撃のせいで
上がれなくなった加地の代わりに右サイドへ動いたりと、
素晴らしかったと思います。
その結果、あの右サイドからの早い落ちるクロスのボール。
思わず弾くしかなかった北朝鮮ゴールキーパー。
結果的に詰めていた福西の足に当たり(あれはパスではないと今も思う)、
大黒のシュートへと結びついたわけで、
MVPは小笠でしょう、と思うのです。

しかーし、小笠のインタビューがあまりないのはどうして・・・(泣)。

と、いうわけで、文句言い出すときりがないです。

最終予選ゆえ、甘くはないと思います。
ただ、思うに戦い方をジーコは知らないんじゃないか、
と思うのです。
やはり、僕は彼が監督じゃない方がいいと思います。
運だけで、どこまで進めるのでしょうか?
しかし、もはや日本は、ジーコと心中するしかありません。
そして、ドイツ以後の日本サッカーは、
一からの再建となるのだなァ、と現代表を見ていて思います。
戦術や戦略のないジーコサッカーは、
今いる選手でしかできないんですからね。
それゆえに、選手を固定化するしかないわけです。
ヨーロッパサッカーにそんなチームはないですよ。
毎試合、ジーコ日本はまったく違う戦い方をしています。
劇的ではありますが、怖いです^^;

美談にしてはいかんですよ、あの試合は。
教訓にせんと。
はっきり言って、引き分けでもおかしくなかったわけやから。

ちなみに、宮本。
後半の残り15分あたり、フラット3をやってましたね。
ジーコ日本でオフサイド取ったの久々に見ました。
過去の遺産は、利用してこそ価値があります。

そして、大黒。
俊輔というパスの出し手とのコンビネーションは、
妙に可能性を持たせます。

いや〜、しかし。
ヒデは必要か、という議論再燃しそうですね。
もう小笠も大黒も切れないよ、結果出したし。

総括すると、昨日の苦戦の戦犯はジーコ、で良いのではないでしょうか。
会場で興奮していた皆様。1日経って、どう思いますか?
勝てば官軍では・・・いかんと思うのですよね。

ま、興奮した良い試合でしたが(爆)。

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